田んぼで大きくなぁれ
江戸時代には多摩の米蔵とも呼ばれた日野。
昭和40年代まで、東京都の米収穫高で断トツのトップを走っていた日野です。
しかし、ここ30年あまりで減反と、宅地化は田んぼを珍しい場所へと変えてしまいました。
とはいっても長年培われてきた「田んぼの技」はまだ健在。
市民農業大学、小学校の授業で、はたまた都市住民が農と触れ合う場としても活かされています。
一年を通して米作りを体験する「親子米作り講座」を開催しているのは百草にある石坂ファームハウスです。
今年は、6月9日に田植えが行われました。
石坂さんによれば、5月に「アド街ック天国」で紹介されたことにより、例年よりも申込みが殺到し、残念ながらお断りをしなければならないほどで、都内からいらっしゃった方も多かったとのこと。
恐る恐る田んぼに足を踏み入れた子どもたち。
だいじょうぶ。きっと、一緒に来たお母さんもお父さんも始めてだから。
今日の田植え、そして10月には稲刈り、12月に稲わらを使った細工、1月に餅つきと楽しみは続きます。
楽しいと言えば、こちらも。
日野市の小学校の多くは米作りを通して、食について学んでいます。その中の一校、平山小学校では5年生がお米を作っています。
田植えを前に大事な仕事、代掻きが8日に行われました。
代掻きをすることによって田んぼは水漏れが起らないようになります。
その名も「人間代掻き」。
簡単に言ってしまえば、田んぼの中での泥んこ遊び?
始めのうちは駆け回るだけでも歓声をあげていた子どもたち。当然というか、みるみるうちに泥まみれ。もうこうなったら止められません。
スライディングが始まるは、果てはムツゴロウ状態で、田んぼを這う新生物も現われます。
もうもう、どの顔も笑顔いっぱい。
「準備が大変なんだから、でもね、この顔見たら、来年もまたやらなくっちゃ、って気分にさせられちゃうよね」。米作りを教えて下さっている農家の方も、笑顔でいっぱい。