この実なんの実?(ムクロジっていうんだよ)

もうすっかり春になってしまった、林の中から見上げても、若葉で覆われて空もだいぶ狭くなったと歩いていると、その大きな木だけが、まだ枯れ木のように葉も付けず、よく見ると、枝の先々に丸い実を鈴のようにたくさんぶら下げているのでした。

近くに寄ってみると、車の通らない道はその実で足の踏み場もないほどです。

触った感触はグミを硬くしたみたいで、色は薄い褐色透明、メロンのごとき編み目模様。

面白いことに中に黒いまん丸の種らしきものがコロンコロン。音のしない鈴といったらわかりやすいでしょうか。

何やらおもしろそうなので、数個拾って、調べてみました。

その主の名は「ムクロジ」。

これがなかなか面白い代物でした。

果実の樹皮にはサボン、つまりシャボンの成分があり昔は果実を布袋に入れて洗濯に使用していたとのこと。

でさっそく、実験。

数個の実を剥き、水でクシュクシュするとなるほど、泡が立ってきます。

昔の人も大丈夫だったのだから、と手を洗ってみると、さっぱりした使用感です。

実の中でコロコロしていた黒い種は思いのほか硬く、これ、どこかでみたことがあるような。

お正月の羽根突きの羽根の玉の正体はこのムクロジの種だったのです。

ムクジロは高さ15〜20mくらいになるそうですから、このムクロジはかなりの大木の類に入るはずです。