ミゾソバ 水音に添えて色する溝の蕎麦
秋も深まり、もうそろ終わりを迎えてしまいますが、日野のあちこちの水辺ではミゾソバの可憐な花が見られます
ミゾソバ自体は全国の水辺で見られる、別に特別な植物ではありません。朝鮮半島、中国、シベリア東部、インドシナ、ヒマラヤにも,広く分布しているそうです。
ですが、日野ではあの土方歳三の生家が、この草の葉から家伝の「石田散薬」を作り、歳三も売り歩いたことや、新選組として京に上った折も使われたとも伝えられており、そんなことからちょっと「特別」な意味を持つようになっています。
そんな理由から、薬としての効用は科学的には証明されなかったにせよ、今では夏に「石田散薬を作ってみよう」と題した体験教室も開かれ、自然と歴史に触れ合える「いい薬」として活躍しています。
調べてみるとミゾソバは、葉や実の形がソバに似ていて、溝、つまり水辺に生育することから付けられた名。また別名、その葉の形から「ウシノヒタイ」とも呼ばれています。
この名前についても地域限定らしいのですが日野あたりでは、「牛革草(ギュウカクソウ)」とも呼ばれ、この方が普通に、特に新選組の話をする機会には、使われているようです。
ミゾソバは8月初旬ころから花を付け始めてはいますが、その頃は探すのもやっとの状態。
いよいよ秋も本格的になる10月中旬からはいっせいに花を付け、牛の額は薄いピンクで覆われます。