濡れ落ち葉

「濡れ落ち葉」と聞くと、眉をひそめる方もいるはず。
でも、そんなマイナスイメージの言葉も時とともに、意味合いが薄れているみたいです。

濡れ落ち葉
高幡不動尊

濡れ落ち葉
高幡不動尊
濡れ落ち葉
高幡不動尊
濡れ落ち葉
京王百草園

12月になって、イメージ先行の世の中は、もう冬。
ところが、実際は11月30日に次の日が12月になるだけで、季節の移ろいはカレンダーをめくるようには変わりはしません。
紅葉もしかり。
昨日まで色彩を楽しませてくれていた葉が一夜のうちに、枯れ落ちることもないのです。
高幡不動尊のもみじまつりは11月30日、京王百草園の紅葉まつりは12月2日までではありましたが、実際は見ごろは続いていました。
まつりの最中には色付いていなかった葉が、いよいよ終盤に差し掛かって色を染め、もしかしたら、まつりの後の方が美しかったりもします。
ところが、まつりが終われば、紅葉も終わりとばかりに、人出はぐんと少なくなり、特に雨など降ると、人っ子一人いない状態で、紅葉独り占めになることもあります。
12月4日火曜日がまさしくこの状態でした。
天気予報が伝えるところでは、お昼ごろまで雨模様、午後から晴間ものぞくとの予報。
まさしく空を見上げれば、雨が降っているものの、西の遠くでは雲の間から射す日射しが見えていました。
陽に照らされて輝くもみじは見慣れていますが、雨はもみじの色をさらに濃くしてくれます。
雲が開き、陽が射すと、どこからともなく風がそよぎ始めます。
舞い落ちた雨に濡れたもみじの葉が敷き詰められた道は、進むことをためらわせます。
知ってか知らずか「キレイ、濡れ落ち葉って」と若い声が聞こえてきても、「濡れ落ち葉」が揶揄する言葉などということは、忘れてしまう風情でした。