お生まれは二子玉川、お育ちはお台場

「鮎が用水にやってきたよ」。
そんな知らせがとどきました。

鮎が用水にやってきたよ


このところ毎年のように、姿が見られる場所へ確かめに行ってみると、あいにくの雨の後。
少し濁った水の中の様子は水面からは伺うことができませんでした。
そこは街なか、日野用水の中流域。
はて、下流から上がって来ているものか、それとも上流から間違えて下ってきてしまったのか。
ともかくも、この水の状態だと、下流へ調べに行っても、結果は知れています。
用水に鮎がいるのなら、本流の多摩川では当然姿が見られるだろうと、用水が取水されている平堰へ。
道路の下になってしまった流れをたどり、中央線を越え、用水の上に作られた歩道をからのぞき込み、更に上流へ。

鮎が用水にやってきたよ

途中、八王子市との境にある、ちょっとした東屋なんかあって、いい風情の、通称「お茶屋の松があった所」では、少年たちが釣り糸を垂れていました。
用水路で釣り。
ひと昔前まで、釣りのポイントはたくさんあったのですが、道路が整備されたり、田んぼが住宅になったりと護岸がコンクリートにされ、魚が寄り付きそうな澱みもなくなりで、「そんなのつまらない」、と感じた「担当者が人肌脱いだ」、かどうかはわかりませんが、「お茶屋の松があった所」には、「子どもの釣りに最適」な所が作られているのです。
ここからさらに、上流の堰へ。
たどり着くと、一直線に多摩川を横切る堰からこぼれ落ちる流れの下には、サギたちがウロウロとしています。
これが、「鮎がいるぞ」の合図。
彼らにしてみれば、一年にこの時期だけの「鮎レストラン」開店です。
雨でちょっと水量が増した流れに向って、不規則なしぶきがあちらこちらで上がっています。
聞けば今年の多摩川には200万尾くらいの鮎が遡上しているとのことです。
昨年、二子玉川あたりで孵化し、お台場あたりで冬を越した「オシャレな鮎たち」の里帰りです。