「とうかん森」が姿を変えます

土方歳三が誕生した家は、「土方歳三資料館(2022/12~長期休館中)」から北東へ数百m離れた、多摩川沿いの地、今の川原北公園付近にありました。

お稲荷さまの基壇からは、大きな藤が伸びています。残されるのはカヤの木と藤です。
お稲荷さまの基壇からは、大きな藤が伸びています。残されるのはカヤの木と藤です。

しかし、土方歳三が幼少のころ、多摩川の洪水に遭い、現在の生家へと移転しています。その家で小さかった歳三も見て、遊んで育ったと思われるのが、樹齢250年もの大木が並ぶ「とうかん森」です。

「とうかん森」にはこのあたりの土方姓10軒の家が永い間護るお稲荷様が祀られており、それが、森の名前の由来ともなっています。広がる田んぼに囲まれた集落のシンボルとして、大切にされてきた森です。

しかし、ここ半世紀、時代の波は、周辺の風景を一変させました。区画整理によって、田んぼは宅地に変わり、「とうかん森」も同様、枝が隣家にかかるようにもなりました。

枝が落下することもあり、危険なこともあります。

周りの土地は低く掘り下げられ、いわば森は鉢植え状態。目通り周囲2mもあるムクとカヤの大木が7本、それに見た事もないような大きな藤の木が絡み付き、これ以上根を伸ばす余地ももはや無くなってしまっています。

この森を護る氏子の方々は専門家の意見も参考に、将来にわたって稲荷の森を守るため、ここで、大規模に手を入れることを決断されたのです。

川原北公園から見たとうかん森
冬至ころの日没

作業は2月中旬過ぎに行われる予定です。土方歳三も見た「とうかん森」の姿は後、1ヶ月弱、となりました。