秋色、熟す
11月30日まで行われていた高幡不動尊と京王百草園での紅葉を愛でるまつりも終わり、いよいよ師走。
ところがまつりは終わっても、それは人間の都合というもの。
高幡不動尊も京王百草園でも、そして多摩の丘陵でも紅葉はまさに葉を落とす前、一段と色映える「熟」の時を迎えています。
高幡不動尊では一番最初に色づいたもみじはもう枝についているものはすっかり枯れてしまったものの、裏山の日陰にある「おおもみじ」や「いろはもみじ」の中にはまだ、緑色をしたものもあります。
真っ赤や橙、そして黄色、いろんな色が空にも、そして地面も覆っています。
「これ、京都のお土産って言ってもわからないわよね」。
と、落ち葉を集めているご婦人のグループ。
盛んにシャッターを切っているのは写真教室でしょうか。
場所によってはあと1週間ほどは、晩秋気分が楽しめそうな高幡不動尊です。
高幡不動尊に比べて、陽当たりの良い京王百草園では、少し早く落ち葉が舞い始めます。
紅葉の最後を閉める銀杏もまっ黄色になって青空に映え、これから、ひと風吹くごとに散り、たぶん来週にもなると、すっかり葉を落としてしまうでしょう。
百草園から連なりが見える丘陵の色づきもピーク。
風に揺られ、小雨のように降り注ぎ、くるぶしぐらいまで重なり積もる枯れ葉を、かさかさ踏んでの丘陵歩きはこの季節、秋から冬へのこの時だけ。
これまで葉に隠れていた眺めも開け、遠くまで見渡せるようになるのもこの時。
あんまり寒くならない、今ごろは丘歩きにはいい時です。