傘も逆さで使いよう。梨花摘み

4月の初旬に例年通りに花を付け始めた梨。
「この様子なら、心配いらないな」、でも「気温が上がらず、天気もままならず、どうかな?」、と思っていたら、「雪!、雪なんて降っちゃうんだもんな」、と、この時期、受粉の作業に追われている梨農家のご主人憤懣やるかたなし。

梨花摘み

梨花摘み
花採取の仕方は園によって工夫様々
梨花摘み
この花のかたまりのうち一花だけが「梨」になります

受粉の作業といっても、その作業は二つ。
一つは文字通り、結実させるために雌しべに花粉を付けてやる作業。
自然に受粉するのでは?、と考えるのは素人。
ミツバチは?、これまたバツ。
白い花の梨にはミツバチは寄りたがらず、人が受粉させてやっているのです。
それでも、梨畑の周りが「田んぼだらけだった頃は、この時期はレンゲがいっぱい咲いたでしょ。そこに来たミツバチがついでに梨にも休みがてら寄ってってくれて、それで随分助かっていたんだけれでも、家が立込んでさ、今は人間ミツバチよ」。
パートさんも雇って、花粉を付けていく作業だそうで、一番の気がかりはお天気になります。
もう一つの作業は、来年の受粉のための用意。
一年後に使用するための花粉集めです。
まだ受粉していない花を選んで、そこから、花粉を集める作業。
花を摘んで、篩にかけて、花粉を集めて、一定の温度で熟成させるのだそうです。
「この傘いっぱいの花から採れる花粉はほんのちょっとしかだし、こんなことは、花粉、売ってるし、しなくてもいいんでけど、ばかにならないからね。今じゃ中国産がほとんどだけど。結構高いんだぜ」。
一花一花、様子を見ながらの花摘みは、これから収穫までの一連を予想する花びら占いのようにも見えてきます。
今年は上出来?不出来?
夏の終わりの、あのみずみずしい味を思うと、一緒になって、やっぱり、お天気を占いたくなります。