4月最初の日曜日、平山は盛り上がる

毎年、4月最初の日曜日、京王線平山城祉公園駅がある平山地区では、旧来の伝統行事に加えて、今年で5回目となった「平山季重(すえしげ)祭り」が行われ、そこに見ごろを迎えた桜も加わり、いっそうの盛り上がりを見せます。

4月最初の日曜日、平山は盛り上がる
桜が続く平山の丘、白い建物は京王研修所。展示されている車両も見えます

4月最初の日曜日、平山は盛り上がる
歌謡ショーやカラオケもあるステージ
4月最初の日曜日、平山は盛り上がる
ミニSLも走ります
4月最初の日曜日、平山は盛り上がる
菜の花畑は摘取り自由
4月最初の日曜日、平山は盛り上がる
かたらいの路からの180度のパノラマは絶景
4月最初の日曜日、平山は盛り上がる
平山季重神社は5年前に新装されました
4月最初の日曜日、平山は盛り上がる
宴たけなわ、ウォーキングは終盤

平山季重祭りは、この地を本拠地とし、鎌倉幕府に仕え、吾妻鏡にもその勇が記載されている平山季重にちなんで行われている祭りです。
模擬店やステージが設けられた会場を中心にはしていますが、祭りの会場は平山地区全体といってもいいでしょう。
平山駅前の「平山季重ふれあい館」では、平山季重と平山にちなんだパネル展と講演会が開催され、郷土の歴史を改めて紹介。
講演会は満席になる盛況ぶりでした。
ちなみに、この「平山季重ふれあい館」あたり、駅周辺そのものが平山季重の居館跡であると考えられているのも、いにしえに思いを馳せる手助けをしてくれています。
会場近くでは近年区画整理事業が行われ、田んぼの横を京王線が走り、浅川の土手沿いの桜を愛でながら、緑が少し多くなってきた田んぼでのんびりと花見だった、そんな場所でしたが、今ではすっかりと住宅地と変貌してしまいました。
住宅の中に残された畑の一角には、農家の方の好意で撒かれた菜の花が満開、この畑が菜の花摘みとして開放され、背丈ほどの菜の花の間を黄色いブーケを手にした子どもたちが揺れていました。
土手沿いの桜の並木は、大正末に地元の青年団によって植えられた古木たち。
80年もの間、あたりの変わり様を見つつ、しっかりと今も咲き続けてくれています。
平山のまちを見下ろす丘陵の上にある、京王電鉄研修所内にある京王資料館も、年に一度、「平山季重祭り」に合わせて一般公開。
京王資料館には、京王鉄道はもとより、沿線の移り変わりがわかる資料がたくさん集められ、見応えがある資料館です。
このごろは、鉄道ファンの間でも、「4月最初の日曜日は平山」、と知れ渡っているらしく、朝一番から訪れる熱心な姿も多く見受けられました。
さらに、高幡不動尊から丘陵の尾根を結ぶ「かたらいの路」と「七生丘陵散策コース」を歩いて平山を目指す、「平山季重ウォーキング」も行われ、400名もの方々が芽吹きの雑木林と見晴らし、そして満開の桜も満喫されていました。
「平山季重祭り」は新しいお祭りですが、4月最初の日曜日は地元の方々にとっても特別の日。
この日は、平山城祉公園近くの丸山と呼ばれる地に祀られている平山季重神社の祭礼日でもあるのです。
神社といっても祠が祀られている小さなものですが、この地の生んだ雄を慈しむ大切な神社。
氏子のみなさんによる参拝が行われ、次に桜を囲んで宴が開かれ、神社を中心にした親交が深められます。
宴たけなわの横をウォーキングのみなさんが、普通に何ごともなく行き過ぎていきます。
見ようによっては不思議な風景も、そうと感じないのは、桜の成せる技かもしれませんが、それ以上に、平山季重が、今もなお、平山の地に活き続けている証かもしれません。