仲田の森蚕糸公園

「市民の森ふれあいホール」に隣接する仲田公園。

ワンちゃんたちの格好の散歩場に
ワンちゃんたちの格好の散歩場に
所在地〒191-0011
日野市日野本町6丁目1−74
交 通JR日野駅、多摩モノレール・甲州街道駅から徒歩10分

ここは多摩川べりにあり、もともとは田んぼが広がっていた場所。

明治になって日本の近代化を担った花形輸出産業だったのが絹の生産。その絹の元、蚕とエサの桑を研究する施設として、昭和3年(1928)蚕糸試験場付属日野桑園(通称:桑園)がこの地に置かれ、主に桑と蚕の品種開発と飼育条件の研究が行われていました。

しかし、産業形態の変化とともに、昭和55年(1980)には筑波研究センターへ全面移転。

日野桑園に広がっていた桑畑はスポーツの森公園と区画整理道路に変わり、蚕室が並ぶ一角には仲田小学校が建設され、残りは国有地としてフェンスに囲われ、30年余りの間には整然と並んでいた並木は大きく育ち、解体された施設の土台は実生の木々に覆われて、昔の姿を知らない人の眼には、大きな自然の森と映っていました。

夏の間だけ、「自然体験広場」として開放され、ワイルドな遊び場としてとても魅力ある場所でしたが、「市民の森ふれあいホール」の整備に合わせて、残されたままだった建物の基礎部分もすっかり取り払われ、茂っていた木々も、公園らしく選定され、誰にでも親しまれる安全な公園に生まれ変わりました。

おしゃれな車止め、でも車イスにはちょっと
田んぼ時代の名残、用水も流れています

桑ハウス

仲田公園に80年来の風雪に絶えて姿を残しているのが「桑ハウス」こと、旧蚕糸試験場日野桑園第一蚕室(国登録有形文化財)の建物です。

桑園は昭和3年(1928)に開設され、主に桑と蚕の品種開発と飼育条件の研究が行われていました。考えてみれば、当時の主要産業であった繊維産業の基礎であった「養蚕」を支える研究をする最先端の場。気鋭の学者が集まっていた場所でもありました。

広大なその跡地は現在、仲田小学校、市民の森ふれあいホール、市民の森陸上競技場、デュオヒルズ日野多摩川、そして仲田の森蚕糸公園に姿を変えています。

仲田の森蚕糸公園内に蚕糸試験場当時の建物が一棟残されています。

これが通称桑ハウス。

自然体験広場

夏になると入れます。「自然体験広場」です。

仲田小学校の隣にうっそうとした木々に被われた一角があります。

道路には「自然体験広場」の看板が掲げられています。夏になると利用することができるここは昔、桑園と呼ばれていた養蚕試験場の跡地です。スポーツ公園も仲田小学校もその跡地に作られたものです。

一面の桑畑にそってイチョウの並木があり、ちょっとしたいい風景が見られる場所でした。中に入ってみると、当時の建物は廃虚となりながらも残り、並木も健在です。しかし、長年にわたって人の手が入っていないので、木々が生い茂り、あたりとは別天地。

あたりとは別天地
あたりとは別天地

これを利用しているのが自然体験広場です。

緑地、公園、自然保護地区といった耳障りの良い場所とは違い、まさにワイルド、キャンプもOK!です。「あぶないからダメ」はここにはありません。「何をしても良いけれど、自分の責任で」、です。

こういった自然体験型の場所をわざわざ作ったり、探したりする活動も多くなったと聞きますから、まさに先端を行っているのです。子どもだけではありません。近くに住む方々の夏の朝な夕なのお楽しみ散歩コースにもなっています。

ところが、ここに市立総合体育館を建設する予定があるそうで、利用できるのも後何年か。今のうちにお楽しみを。

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