新選組のその後に焦点、今にも繋がる心意気
新選組のふるさと歴史館で只今開催中の特別展、「新選組 その後~自由民権運動に仮託した多摩の思い~」。
明治維新とともに歴史の舞台から去った新選組。でも、新選組を支えたのは人。
新選組の歴史を背負った人々がその後、どのような変遷を遂げたのかに焦点を当てたのが今回の展示です。
今回の展示では、まず入口正面に置かれた、巨大な写真パネルが目を引きます。
箱館奉行所庁舎と京都前川邸のものです。
このパネルの前で、土方歳三や隊士の扮装をして記念写真が撮れる、もちろんコスチュームは貸し出されている、というもので、たいそう喜ばれているとのことです。
展示を観て思うのは、長い人の営みの中では一瞬の間に打ち込まれた「楔」は現在でも、影響を与え続けているということ。
館内を見回してみても、一角に張り巡らされた「誠」の書、これだけの数の「誠」を全国のみなさんが寄せられています。
会場になっている「新選組のふるさと歴史館」も新選組が街の移り変わりにとって、大きなエポックだったことの証。
「新選組のふるさと歴史館」分館である「日野宿本陣」も、それを伝えようとした人々の念いがあったからこそ、現在でもその姿を見ることができるのだし、土方歳三、井上源三郎、そして佐藤彦五郎、らの子孫の方々が私設運営している資料館も。
新選組大賞
岐阜市私立鴬谷高校一年田中和来さん
そして今、街を見渡してみても、日野自動車、コニカミノルタ、富士電機、セイコーエプソンなどの企業が日野に工場を設置するきっかけとなったのにも、当時の町長有山亮、佐藤彦五郎と土方歳三の姉のぶの孫、が時局と兼ね合いながら積極的に誘致したことに発しています。
日野の人は昔から「新し物好き」だから、と自嘲を込めて揶揄することもあります。
でも、是々非々はともかくとして、新選組が何らかの影響を与えていることは否定できません。
平成17年12月の開館以来「新選組誕生」、「新選組京都の日々」、「新選組 戊辰戦争のなかで」と、新選組の歩みを紹介してきた特別展も今回の「新選組 その後~自由民権運動に仮託した多摩の思い~」で一応終結、これらを踏まえて、充実した常設展示も企画されているということ。
ますます目が離せない「新選組のふるさと歴史館」です。
「新選組 その後~自由民権運動に仮託した多摩の思い~」
開催期間 平成21年2月14日(土)~5月24日(日)