そば処「ちばい」、「蕎麦の文」展示しています

そば処「ちばい」、「蕎麦の文」公開中
蜀山人「蕎麦の文」
そば処「ちばい」、「蕎麦の文」公開中
「蜀山先生そばの文写し及事実理由書」と「蕎麦せいろ」

江戸時代、代々名主を務めた佐藤家には幕府の役人や文化人がよく立ち寄りました。
そんな中に大田南畝(なんぽ)がいました。
南畝は本名を大田直次郎、代々幕臣で徒士の家に生まれ、19歳で漢詩文「寝惚先生文集」を出し平賀源内にも認められていました。
しかし途中で文芸活動を停止。その後登用されて大阪や長崎へ赴任しています。
その頃から再び狂歌の創作を始め蜀山人の雅号で名声を高め、佐藤家を訪れた時には文人としても重きをなしていました。
文化6年(1809)3月、仕事で玉川流域巡回中の南畝は佐藤家で手打ちの蕎麦切りを振る舞われました。
南畝はその美味しさに痛く感動し、「蕎麦の文」という小文を書き上げ、佐藤家に残していきました。
今では佐藤彦五郎新選組資料館に保管されているその「蕎麦の文」が、資料館からほど近いそば処「ちばい」の店内で特別に2月2日から展示されています。
南畝にそばを打って馳走した、本人、佐藤家八代目、佐藤彦右衛門俊興が書き残した「蜀山先生そばの文写し及事実理由書」とその時使われた蕎麦せいろも同時に展示されています。
また、お庭にある店名「ちばい」の由来ともなっている、近藤勇に縁ある梅、「血梅」が、これから、例年より随分と遅れてはいるものの、ちらほらと咲き出す気配。
窓越しに血梅、床の間に「蕎麦の文」。
「蕎麦」に興味がある方のみならず、二百余年の月日を経て今なお伝わる、蕎麦を愛でる言葉に触れ、江戸時代の文化人たちの交流に想いを馳せながら、そばをいただける機会です。

昨年の「血梅」の様子

「蕎麦の文」展示期間:3月中旬まで(予定)
ちばい
日野市日野本町2-16-26
TEL:090-1859-4351
営業時間:11:30~14:00 (土日 ~15:00)
定休日:月曜休