まだまだ健在! 東光寺大根

まだまだ健在! 東光寺大根


だいこん11月になると酉の市。近隣では八王子の大鳥(おおとり)神社で開かれています。例祭の大鳥祭も同時に行われ、甲州街道の沿道に夜店も多く並びます。
 境内に並ぶ縁起物の熊手を売る店がに混じって、鳥居のすぐ脇にベッタラ漬の店が開かれています。沿道の店にも何軒か見ることができます。
 同じ時期、日野市の東光寺地域では特産の「東光寺大根」が最盛期をむかえます。東光寺台地で栽培されたダイコンが、刈り取りの終わった田んぼで矢来にかけ、多摩川を通る空っ風と日光で日干しにされている姿は冬の東光寺の一景でしたが、今では大半がビニールハウスの中で干されています。

東光寺台地の大根畑
東光寺台地の大根畑

この大根のルーツは漬物用として有名な「練馬大根」です。東光寺と地続きの八王子市高倉にも伝わり「高倉大根」の名で栽培されています。

 明治時代、織物の街八王子では、織物工場で働く女工さんの食事のおかずとして、たくあんが必要とされ、その一役を「高倉大根」が担ったといわれています。
 最盛期には市場にも沢山出荷されていた「東光寺大根」ですが、宅地化や農家の高齢化で生産量はかなり減ってしまいました。浅川の川原一面に干され冬の風物となっていた「平山大根」は姿を消してかなりが経ちました。とはいうもの、作付け面積でいえば、まだまだ大根は日野市の中ではトップです。

日野のだいこん
市場へ出荷を待つ付せん

農家の中には自家で漬物にしているところもあります。聞けば「八王子のお酉様のベッタラ漬店へずーっと納めていて、そのため」、だとか。これ、庭先販売や11月に行われる日野市産業祭や市内の農産物直販所でも販売されてます。毎年楽しみにしているファンも多いのです。