百草、盛夏
30度で暑いといっていた夏はどこへやら、連日35度にもなる熱い日が続いています。
梅と紅葉には、人が繰り出す京王百草園も、この時期は、人影もまばら、濃い緑と白い光に照らされた庭園は、蝉の声が響くだけです。
京王百草園から谷を下ると倉沢の里。
6月に植えられた田の米もすっかりと成長し、早生種が丁度開花の時期を迎えていました。
今年生まれた、小さな緑色のカエルも、シオカラトンボも畦で遊んでいます。
雑木林の中では、キツネのカミソリが木漏れ日のスポットライトを受けて、凛としています。
台地の畑に整然と植えられた作物には容赦ない日が刺し、林の淵から浮かび上がる青空。
田んぼでも、林でも、畑でも景色は真夏の静寂に包まれています。
そんな静けさの中、ハッとさせられるほど元気な子どもたちの声が近づいてきました。
ここ、倉沢にもブルーベリー摘取り農園が3軒ほどあり、近く?の高幡台保育園の子どもたちが「おやつにするブルーベリージャムの材料」を摘みにやって来たのです。
自分たちの倍以上もの背丈はあるブルーベリーの間をあっちにこっちに小さな帽子が揺れています。
「こんなに取っちゃった」と小さな手には5粒ほど、でも、なるほどいっぱいだ。顔に汗もいっぱいだ。
「下から見ると、どこにあるかよくわかるよ」と保育士さん。
でも、始めから十分下から見上げているのに、そう言われてしゃがみこんで、「手がとどかないよ、取れないよ」。
空に浮かぶブルーベリーはどんな味なジャムになるのでしょう。