祭りの日
8月18日と19日、2つの対照的なお祭りが行われました。
一つは日枝神社の例祭、もう一つは、「ひのアートフェスティバル」。
田んぼを抜けていたころ
用水路も姿を変えます
変わらないのは接待に出る自家製の漬け物
見てののとおり、方や昔ながらの鎮守のお祭り、もう一方は人が集い楽しく過ごすためのお祭りです。
もちろん、鎮守のお祭りもカラオケあり、子ども神輿が地区を練り歩き、一年に一回の楽しい時を過ごすことには変わりはありませんが。
そして、この両極にあるお祭りが、今年は双方とも節目と言える開催となったのは、偶然とは言えない時代の流れのように感じます。
日枝神社を鎮守としているのは、「堀之内」地区。
日野市内でも規模がまとまった田んぼが最後まであったところです。
市内の中心でありながら、交通の便がいいとは言えず、それが原因で最後まで宅地化が遅れていたことも、理由の一つでした。
それが、日野バイパスが5年前に開通。
さらに、堀之内のど真ん中を縦断する新甲州街道の建設も具体化され、それを受けて、計画されていた区画整理事業が本格的に動き出したのが、2年前のことでした。
田んぼの農道を、実る稲の穂先をかすめて、本当にのどかに練り歩いていたお神輿も、昨年は、もう育てられることがなくなった稲の代わりに生い茂った草原を抜け、今年は、そこに田んぼや畑があったことすらわからない、四角い、家が建つの待つばかりになった、整理された土地を通る、ぴっしっと舗装された道を始めて練り歩くこととなりました。
すでに、基礎が打たれた家もあり、来年は、新築の家の間を抜けていくことになるのでしょう。
例年より参加する子どもたちが増え、さらに新住民がやってくれば、もっと増えると期待いっぱいです。
「神さまに、年に一度、神社を出てもらって、今までは、お米や野菜の様子をみてもらったけれど、これからは土地がどんなになって行くかも見てもらうんだ」。
あながち感傷的になる外野をよそに、氏子さんたちは意気揚々です。
ステージは手作りからレンタルへ
空が見えるようになった会場
舗装路もできました
子どもはやっぱりこちら。新しく作られた水辺です
ワイルドな空間も残されています
もう一方のひのアートフェスティバルも、数えてみたらもう16回目。
日野の夏にすっかり定着しました。
昨年、正確には昨年は会場であった自然体験広場を削って建設された日野ふれあいホールと駐車場の工事のため、一昨年とは随分趣きが変わっていましたが、自然体験広場と名乗っていただけに、大木が生い茂り、一足踏み込めば、スゥーと空気の違いを実感できたものでした。
ここは、35年ほど前、閉鎖移転した日野桑園の跡地。
国有地だったため、柵に囲まれたてが入らなくなった園内では、元々あったイチョウやケヤキの並木はぐんぐん育ち、実生とも思えないほどに大きくなった雑木が茂っていました。
夏の子どもたちが、ワイルドな遊びが出来るようにと自然体験広場として、夏休み中にはキャンプをしたり、木登りをしたり、それは贅沢な空間。
その場で、仲間が集まり音楽やパフォーマンス、展示会を自由に行っていたのがひのアートフェスティバルでした。
今年からは、春、ふれあいホールの完成とともに順次自然体験広場も都市公園として整備され、晴れて、「仲田公園」として開園。
アートフェスティバルの会場もそのまま、仲田公園で、と変わりました。
毎年参加されている、アーティストの中には、その変わり用に驚かれる方も。
見上げても広く覆う木々が邪魔して、なんとなく薄暗かった森も、その空の高く広いこと。
おかげで、暑いこと。
自然体験広場自体が一つのアートだったんだ、と実感できる今年でした。
でも、今は剪定されている大木たちも、後、数年、10年もすれば、また大きく枝を張り、木陰を作ってくれるでしょう。
新しい流れを得た、園内の用水路は素敵なステージとなるはずです。
何よりも、見慣れた風景として定着すれば、またその中で、新しいアートフェスティバルが生まれてくるのでしょう。