だるまも目を開けた? 高幡不動尊の豆撒き式・だるま市

年男を迎えて行われた高幡不動尊の豆撒き式。3万人を超える人出を越す勢いで、境内は人の渦でした。節分
今年(07年)は山本耕史さんが、昨年に引き続き参加されました。


 高幡不動では正月の初詣から28日の初不動、と息付く間もなく続いていた行事もこの節分でうち止め、この日を境に落ち着きを取り戻します。

 節分には初不動に続き、だるま市も開かれています。初不動と少し違うのは「東京多摩だるま」が参道へ出店すること。
 「東京多摩だるま」、このだるまは、東京の三多摩地区で作り続けられているこの地方独特のだるまです。
 長い間、農家の副業で作られてきましたが、今ではその家も立川に1軒、青梅に1軒、あきるのに2軒、そして瑞穂に5軒とわずかに9軒になってしまっています。特色は鼻がずんぐりむっくり大きく、彫りが深く縄文系の顔をしていること。
 初不動では弥生系、つまりはスッと鼻筋が通っただるま、生産も多い群馬県高崎近辺のだるまの店がメインストリートを埋め、その日は奥のほう、大日堂周辺で売られている「東京多摩だるま」もこの日はだるま市の主役です。
 このだるま市や露天が並ぶ参道がひっそりとなる時が、豆撒きの時間の5回。豆撒きが行われる不動堂前は、身動きが取れないほど。開始時間1時間も前から、いやもっと前まえからの場所取りです。
 いざ、「福はうち!福はうち!」、のかけ声とともに始まるや、デパートの大きな紙袋を頭に掲げる人、腰に巻いた風呂敷を広げるおばあさん、はては虫取り網持参から傘を逆さにして拡げる度胸を見せる人も。
 その中、歓声と共に携帯カメラがいっせいに壇上を向き、シャッターチャンスを狙う写真愛好家が群れ、もうこれは、「なにごとじゃい」とだるまもこっそり目を開けるんじゃないか、の騒ぎです。
 一瞬とも感じられる豆撒きが終わると、境内はこぼれた豆がきな粉になって、豆色、そして豆の香りが漂い、でもみんなの顔は上機嫌です。やっぱり、「福はうち!福はうち!」で福が来たようです。
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