柿が、今、旬
木枯らし一番がもうすぐ吹きそう、と天気予報が告げています。
夏、汗を吹きながら摘んだブルーベリー畑はほのかに色づき始めています。
この季節になると、農産物直売場や農家の庭先販売所に彩りを放つのが柿です。
興味深いのは柿の栽培は区画整理された畑が多い事です
いろいろな種類が入って300円
太秋、東京御所、次郎、東京紅、夕映え、さてどれが?
次郎柿
一本の台木から様々な種類の柿が収穫できます
太秋
もちろん、日野は柿の名産地などではありません。
栽培農家も数量も限られていますが、それでも、やっぱり知っている人は知っていて、贈答品にしたり、庭先に並ぶもぎたてを待ち望んでいる人もかなりと聞きます。
日野や多摩の農産物としての柿の生産は古く江戸時代にさかのぼります。
江戸時代の始め、「禅寺丸柿」という甘柿が日野からもそう遠くない現在の川崎市にある「柿生」の地で発見され、消費地江戸を控えた近隣に広まりました。
そのブームは明治時代まで続き、現在でも農家の広い庭先などで、「禅寺丸柿」特有、小ぶりの実がたわわになっているのを見かけます。
また、柿は干し柿にしておけば長期に渡って保存できることから、栗とならんで、凶作時の非常用の食べ物として、農家では重宝されていたといいます。
農産物としての「禅寺丸柿」は「去年は甘かったのに今年は渋くなった。と思ったら、また甘くなったりして」、と品質が一定にならなくて、「小さい実の割には種が大きいくて、今向きではないね」。
ということで、売られているのはちゃんと柿畑で、品種を選んで作っている柿です。
おなじみ富有、次郎に太秋(タイシュウ)、陽豊(ヨウホウ)、夕映え(ユウバエ)とちょっと聞き慣れない柿も作られています。
特に日野で他とは「力の入れようが違う」のが、東京御所と東京紅。
この2種、お隣立川にある東京都農業試験場で品種改良された「東京産まれ」。
その開発に携わった方が日野に住まわれており、農家のみなさんからは「先生」と呼ばれ、自身の畑でも栽培を続けられているのです。
桃栗三年柿八年、とは言いますが、実際は台木に接ぎ木をするので3年もすれば、収穫できるということで、「先生から分けてもらった」東京御所と東京紅は徐々にですが勢力を広げつつあります。
販売方法は様々です。
ちゃんと種類ごとに売られている所もありますし、「なんだか、作っている方もよく判らないから、美味しそうなのを詰め合わせにして」、との所もあります。
11月10日と11日に行われる日野市産業まつりでも販売されます。
柿好きの方、そうでない方も穫れたての旬の味で季節を味わってみてはいかがでしょう。