鎮守の祭は雨模様(八坂神社の祭礼)
7月8,9日にわたって南平の八坂神社で祭礼が行なわれました。
今では日野市内の神社の祭礼がほとんど9月に行われている中、ここ八坂神社は7月と最も早い夏祭りになっています。
本来は15日と決められていたのですが、近年は第2土、日曜日が恒例となっているそうです。もともとは、といっても随分と前らしいのですが、8月とか9月に祭礼が行われていた時期もあったようです。
このあたり、浅川に沿った低地と多摩丘陵につながる段丘に沿った南平地区では、その昔、名前を平村と言ったころは米と養蚕、そして梅の産地として知られていました。そんな純農村だったため、農作業の都合に合わせて、祭の日にちも変更されてきたそうです。
お盆も新暦に合わせた7月13日から16日の4日間のところを、このあたりでは、やはり農作業の都合に合わせ、10日遅れで行う風習が残っているのだそうです。
「いつも、どっちかの日は雨だね」の言葉どおり、8日の本祭、今年の神輿渡御はあいにくの雨の中。ビニールに包まれた神輿は、祀事を司る八幡神社(元八王子)の梶原宮司により御霊が移され、5時半といえば夏のこの時期は明るいはずなのに、時雨れに覆われた杉木立に包まれ、薄暗くなった八坂神社からの宮出しです。
担ぎ手は八坂神社の氏子さんだけでは人手が足りず、お隣の熊野神社の社中、そして日野市内から駆け付けた応援の皆さんです。
日野宮で活動する四谷睦囃子連がお囃子を奏でる山車を先頭にして、御神輿は町内を練り歩るきます。コースは年変わりで、東地区と西地区を分けて行われます。
今年は東地区。八坂神社前を通る旧道、稲城往還(高幡道)を高幡不動の脇まで行き、八坂神社へと戻ってきます。
3時間後、ライトアップされた神輿が揺れながら闇に包まれた境内へと吸い込まれていきました。
「鎮守の祭」、今だ健在です。