歳三の墓所がある石田寺で「北向観音まつり」
土方歳三の墓所があることで知られている石田寺(せきでんじ)では毎年10月17日に「北向観音まつり」が行われています。
今年(07年)はその第25回目。
5月の命日はもちろん、年間を通して、歳三の墓所を訪れる人は絶えることはありません。
この観音像はその傍らで、もちろん、歳三が生きていた時以前からも、ずっと生まれ育った地で信仰されてきています。
観音は十一面観音像。
石田寺の歴史は寺伝によると南北朝時代にまでさかのぼれますが、荒廃し、その後戦国時代、天文13年(1545)7月9日、多摩川の大洪水の折、石田に一体の観音像が流れ着いたものがこの観音像です。
現在の石田寺再興のきっかけになった像を安置している観音堂です。
村人が観音堂を建立して安置し、これをきっかけに、文録2年(1593)に慶心という僧が寺を再興しています。
総代の方のお話によると、流れて来た方向に向けて昔の人は、観音を安置したのだろう。 観音堂を見守るように本堂を建てたのだから、「北向観音」は石田寺が再建されてから呼ぶようになったのだろう、とのこと。
観音堂では護摩が焚かれ、檀家衆ら信者に一年の家内安全を託した護摩札が授けられます。
特設ステージでは、地元出身の歌手柏木タカシさんがオリジナル曲「侍(おとこ)の華 新選組」を熱唱です。
「北向観音まつり」の形では今年で25回目ですが、観音堂では「おこもり」と呼ぶ地区の女性たちだけで念仏を唱える習わしが、これも総代の方のお話で、「たぶん、石田寺が再建される前から行われていたのでがないか」、ということ。
これは、現在でも「北向観音まつり」と同じ日に行われています。