あじさいのころ

 梅雨時の日野、とかく高幡不動尊のあじさいまつりに眼をとらわれ、実際に、雨をもろともせずにお不動さんの境内は賑わっています。ふっと、街中に眼をやって見ると、この時期ならではの光景に出会えます。
あじさいのころ


 日野駅近くのよそう森公園の田んぼでは、恒例となった東光寺小学校の田植えが行われました。予定では16日だったとのことでしたが、その日はあいにくの雨。晴天に恵まれた19日、5年生が農家の方の指導を受けて挑戦です。
 「ぬるぬるしてる!」、「足がぬけないよ」。
 農家の子どもでさえ、機械植えになってからは直接田んぼに入ることがないそうで、始めは大騒ぎです。
 一株一株植えた苗は、秋収穫され、給食でも利用されます。
あじさいのころ
 田植えが終わった他の場所の田んぼでは、おじいちゃんとお孫さんが、オタマジャクシ獲りです。
 つられて覗いてみると、ちいさなオタマジャクシに混じって、生まれたての魚の姿も、すっと枯れ葉の下に隠れたのは、もしかしてホタルの幼虫?
 「田んぼのはじにいるのをとろう。苗にさわるとお米ができなくなるからね。5匹でいいだろう?」。
「じいちゃん、7匹!。オタマジャクシが卵を産んで、カエルになるんだからね」。「ちがうよ、オタマジャクシから足が出て、手が出て、しっぽが出て、カエルになるんだよ」。「エッ、オタマジャクシさんは丸いよ。やっぱり卵がカエルになるんだよ」
 かわいい会話が続きます。

あじさいのころ
 お隣のブドウ園では、2週間あまりですっかりブドウらしくなってきた房を相手に、摘粒の作業が真最中です。
 摘粒は質の良い房を育てるための大切な管理作業。
 一房一房、一粒一粒、収穫の時を想像しながら、余分な粒を抜き取っていきます。
 特に日野で栽培されている品種「高尾」には、欠かせない作業。
 この仕事、広大な敷地で栽培されるぶどうの産地では、「とてもそこまで手をかけられない」と驚かれるといいます。
 朝早くから、雨でも炎天下でも、夕方まで、この2週間ほどが勝負の時。
 これが終われば、ほっと一息ということです。