梅雨の彩り
梅雨といえば、シトシトした雨が続き、といったイメージは近年では姿を消しつつあるようです。
6月の声を聞くとちらほら、中旬を過ぎるとどっと人が繰り出してくるのは高幡不動。お目当てはアジサイです。
高幡不動境内には七千とも七千五百株ともいわれるさまざまなアジサイが植えられています。この期間には「あじさい祭り」も行われ、普通のお祭りならば雨は恨み節が聞こえるものの、アジサイは、そこは「小雨に濡れるあでやかさ」で逆に奮起。わざと雨の日ねらいで来る人も。残念ながら、今年の梅雨もなんとなく、雨だった日は少なかったように思います。降ってもザァーッと。少し情緒がない降り方でした。
五重塔裏の「アジサイの小径」から大日堂にかけてがメイン。他にもしっとりとしたお寺をバックにしたアジサイ、杉林に浮かぶ白いヤマアジサイは高幡不動ならではです。しかも高幡不動ではいろいろなアジサイを植えており、その数150種以上とバリエーションにも富んでいます。
駅近く交通便利、観覧無料、駐車場完備、そしてお詣りもできる。いや、お詣りついでにも楽しめるとあって遠方から来られる方も多いそうです。丁度、夏至をはさむころなので、日の出は4時30分頃、夜の雨が上がると、この時間からもうカメラを背負っての姿が見受けられる、との話しですからたいしたものです。
アジサイと並んで、梅雨に似合うのは菖蒲です。
日野市の近隣では多摩センターの中沢池菖蒲園、立川公園の菖蒲園、昭和記念公園、玉川上水駅から行ける湖南衛生組合の菖蒲園、チョト遠くて北山公園の菖蒲園などで菖蒲を見学できます。こういった有名所は良く管理が行き届き、いろいろな種類も植えられ、たくさんの花が咲き、6月のシーズンを迎えると多くの見学者が訪れています。
日野には、ふと足を止めたくなる「ちいさな菖蒲園」があります。その一つは新井にある菖蒲です。モノレールの東、京王線と浅川にはさまれて百草園駅までの間に新井、三沢という地区があります。
一見、住宅地のようにも見えますし、実際多くは宅地に変わってしまいましたが、今でも水田が広がるのんびりした場所です。その田んぼの一角に農家の方の粋なはからいでしょうか、ショウブとハスが育てられており、用水路から田んぼに水が引かれ、6月をむかえ、苗が植えられる頃になると順に花をつけていきます。その用水路脇には小さな道があり、それが第8小学校や三沢中学校の通学路だったり、三沢保育園のチビさんたちも水辺をのぞきこみながら歩けたり、と、日野の贅沢を感じられるイイ場所です。