新井橋の下に鮎(アユ)の群れ

多摩モノレールが通る新井橋。このところ、この橋周辺で異変が起きています。橋が架かる浅川、いつもなら、釣り人の姿もなく、川原は閑散としているのに、長い竿の列が、橋をはさんで並んでいるのです。

目的はずばり、鮎。

今年の春、鮎の稚魚が遡上していることはお伝えしましたが、秋を迎え、成長した鮎が今度は下流を目指し始めたのです。

ころがしでおとり鮎を手に入れて、友釣りです
ころがしでおとり鮎を手に入れて、友釣りです

加えて、先月の台風の影響で、奥多摩の小河内ダムの放流が続いており、それもどうやら、「ダムの底の方の水を流しているらしく、浅川が流れ込んでいる多摩川の濁りが、現在もかなりあり、多摩川の鮎たちも、水が澄んだ浅川の方に、入り込んでいるみたいだ」。とは長年多摩川で鮎釣りをしている方のお話。

新井橋から流れを覗くと、黒い群れ、そして、鮎特有の体をひねって苔を食べる姿、水面にも盛んに飛び跳ねているのも見えます。

鮎釣り師たちの情報網にはすでに、「ここで、釣れる」との話がかなり伝わっているとのことで、実際、埼玉やあきる野市から、連日やって来ているとの方も。

「秋川なんかに比べると、浅川なんて、ばかにしていたんだよね」、「でも、こりゃすごいよ」。という声。

「でも、ここは駐車場もないし、人がたくさん来たら大変だ。おとり鮎も売ってないし」、「それに、ほら遊漁料がないでしょ。漁業ってあるの。ないとさ、ゴミなんかみんな捨てちゃうんだよね」。という心配。

誤解を招くのでお知らせしておきますが、浅川にもちゃんと多摩川漁業組合の管轄に属している川です。

多摩川漁業組合は、多摩川原橋から拝島橋までと大栗川の殿田橋、浅川の長沼橋までを管轄し、鮎の遊漁料も1年間5000円、日釣り、1000円と決められています。

25センチクラスも、もう婚姻色が出ています
25センチクラスも、もう婚姻色が出ています

ただし、実情は、その遊漁料を徴収する組合員が激減してしまい、遊漁料がない、かのように思われているだけです。

川の汚染によって、川が疎遠になって、川を利用し守ってきた人たちも居なくなっていたのです。

このままだと、来年は今年もまた、そのうちに鮎がいるのが当たり前になることでしょう。
 幸い、清流が戻ってきた浅川や多摩川ですが、「人の整備」もこれからは必要になりそうです。
 ちなみに、漁業組合には流域の市に住んでいれば、入会金は必要となりますが、誰でもなることができます。

程久保川最下流の玉川橋下でも鮎が見られます
程久保川最下流の玉川橋下でも鮎が見られます
玉川橋から、もうすぐ先で多摩川と合流します。

お問合せ: 多摩川漁業協同組合 TEL:042-361-3542