昆虫採集行脚
もうすぐ夏休み。夏休みの宿題といえば昆虫採集、とは、近頃はいかなくなったようです。
このごろの子ども達、セミを見つけても「セミは7年間も土の中で暮らし、やっと出てきたのだから採ったらかわいそうなんだよ」と注釈する始末。カブト虫やクワガタ虫の飼育方法もやたらと知っています。
そこで、悔しまぎれに「木にとまっているのを見たことがないだろう」と、つっこむと、「自然のものは大切にしないといけないんだ。飼うのなら、ペットショップで買ってくるからいいもん」、「昆虫採集ならゲームでできるよ。自然保護は大切だよ」と。
そんな子ども達ですが、アトラスオオカブトらの外国産までその辺りで捕まえられると思っているふしもあるのには驚きです。
ところが、今年はそんな子ども達にも異変が起こっているらしいのです。テレビアニメでカブト虫やクワガタ虫が登場する番組「ムシキング」が大流行り。そのせいか、本物を自分で手に入れたいと願う子ども達の姿を林で見かけることが多くなっています。
日野にはまだカブトやクワガタをゲットできる場所が残されています。そんな場所では明方はともかく、夜行性のカブトやクワガタを狙って懐中電灯持参の子どもの姿も。人気はノコギリクワガタということです。
そろーりそろりと近付き、えいやっ、と網をかぶせたその隙間から逃げていったミンミンゼミからはオシッコかけられた。
蚊にさされ、雑木林の中をうろつき、木の種類を見極め、全身の神経と感覚を総動員して、それでも空振りがほとんど。
そんな経験をしてきた、往年の子ども達、つまりはお父さんたちも、子どもにせがまれ、ここぞ力の見せ所とばかり感を働かせ、昔の「いい場所」へ探りを入れに行っているみたいです。
カブト虫やクワガタ虫をやっと見つけたらそこは秘密の場所。
日野には川あり、丘あり、林あり、その気になればまだまだ秘密の場所はたくさんありそうです。