ひのにはうまい焼きカレーパンがある!!
「日野にはうまい焼きカレーパンがある!!」、とそう言われても、いきなりでは合点がむつかしい。なので、そもそも「日野にはうまい焼きカレーパンがある!!」ことになった、いきさつをご説明。
時は今からさかのぼること、5年前の2009年、その年、日野市商工会主催、「日野新鮮・逸品スイーツコンテスト」に障がい者就労支援などを行っている「日野わーく・わーく」がエントリーしました。参加作品「とまひのフィナンシェ」が地域ネーミング部門審査員特別賞を受賞したことが始まりです。
翌年にも「あさひのとまとパウンド」をエントリー。
このふたつの手造りスイーツは、わーく・わーく加盟施設である「工房夢ふうせん」が製造したもので、ともに市内農家さんが栽培した新鮮な日野産トマトが味のポイントになっていました。
「日野新鮮・逸品スイーツコンテスト」は日野市産業まつりに合わせて行われていましたが、翌2011年は東日本大震災の影響で中止となり、2012年にはより幅を広げられた「ひのB級グルメコンテスト」とマイナーチェンジ。その第1回目で「わーく・わーく」がエントリーした、「ひののめぐみ・華麗になる焼きカレーパン」が準グランプリを獲得しました。
「ひののめぐみ・華麗になる焼きカレーパン」もスイーツと同じ「工房夢ふうせん」が製造しました。日野産トマトがメイン使用され、隠し味にも日野産の柿が練り込んであり、油で揚げない焼きカレーパンはとてもヘルシー。何故、柿も? その理由は柿使った商品を開発し、新たなる日野の特産品にしようとする気運がこの年にあったからです。
新選組を描いた、「燃えよ剣」で、司馬遼太郎氏は土方歳三の人柄を「涼しい顔をしながらも触るといばらのような感じであった」と「バラガキ」のひと言で言い表してることにちなみ、「バラガキ」=柿、との発想からでした。スイーツにも使われていたトマト、さらに柿も加えたのは、、「わーく・わーく」が障害者の力も地域の活性化につなげたい、そんな日野産へのこだわりからでした。
この「ひのB級グルメコンテスト」準グランプリは大きなステップへのきっかけとなりました。
東京都商工会連合会が、「ひののめぐみ・華麗になる焼きカレーパン」を、翌2013年の「ニッポン全国物産展ご当地おやつランキング」の東京都代表に選出したのです。結果は大会で準グランプリ、つまりは全国でNo.2の人気おやつの栄冠に輝くことに。
でも、柿は季節が限定されてしまうので、数を多く作ることができず、「幻のパン」と言われたのも事実でした。準グランプリの余波は、地元日野へ一番大きく伝わりました。これはイケルかもと、「焼きカレーパン」プロジェクト、「日野にはうまい焼きカレーパンがある!!」が発足したのです。具材に日野産農産物を使って作る焼きカレーパンであることがその条件。
日野は、全国に先がけて、地元の野菜を学校給食に活用した市なので、農家の協力はたやすく得る事ができました。
「工房夢ふうせん」を含め、提案に賛同した市内のパン屋さんは8軒。長い間、地元に根を下ろしている店から、開店したばかりの店まで、それぞれ、技とアイデアが込められた焼きカレーパンが出来上がりました。具材の穫れたて日野産野菜は同じ、でも見た目も味も様々、です。
人は千差万別、好みも違います。それは、当然。
「焼きカレーパンなんて別に珍しいものではないね」、と食べてみないのはもったいない。ひとつでも、「自分にはうまい焼きカレーパン」を見つけられれば、ちょっとの幸せ追加です。
まぁ、お試しあれ。