そば処「ちばい」の近藤勇ゆかりある血梅

昨年秋、甲州街道は日野宿にそば処が開店しました。
とはいっても、街道から探しても、見つかりはしません。

そば処「ちばい」の血梅
ひっそりとちょっと寂しげな血梅


間口が狭く奥行きが長い、宿場特有の地割りがまだ生きている日野、確かにそば処の地所は甲州街道までは、あるのですが、肝心のお店の入口は、街道と並行にある裏道、佐藤彦五郎資料館が沿う道から、入る仕掛けてなっています。
「そば」の幟はあるものの、はたして、その合図を奥へと進むも、それらしきものはなし、やっと民家の門に「日野宿そば処」の看板が見つけられるのです。
全くもって普通の家の玄関を上がり、仏壇が置いてある部屋に通されると、冬の日ざしが柔らかに暖めてくれています。
1月も半ば。
その庭にひっそりと咲き始める梅があります。
その名は「血梅」。
近藤勇がその慎ましく咲く姿に心を打たれたとの逸話が残る梅です。
実はこの「ちばい」、郷土史家で日野と新選組について博識をお持ちだった、故谷春雄氏のご子息がご自宅で営業しているそば処。
血梅の木は春雄氏が新選組と深く関わっていた縁から近藤勇が血梅を愛でた地、八王子で接穂によって増やされていた一枝を譲り受けたものだといいます。
2月になると見ごろを迎える地梅。
そばの薬味に紅ひと色が加わります。