程久保川で

程久保川といっても、ほんの5キロほどの短い川です。
多摩川と浅川といった、東京でも大きな川が2本の合流地点にある日野では、ちと存在が薄い川です。

程久保川で
河川改修されている程久保川です

ところが、よくよく考えてみると、百草園、高幡不動尊、多摩動物公園、多摩テックといった日野を代表する「観光スポット」はいずれもこの川沿いにある事に改めて気がつかされます。


その昔は丘陵の谷戸をのんびりと流れていただろう川も、今は周囲の丘が開発されたため、河川改修され、ほぼ真っすぐに流れ、大雨が降ると濁流が一気に流れ下る排水路の役目も負っています。
とは言っても、改修から四半世紀以上は経つ川はそれなりに年季が入り、コンクリートの壁に囲われた岸辺は、一番の邪魔者、人が容易には立ち入れないため、生き物たちの格好の住処となっているようです。
そんな程久保川の両岸は遊歩道として整備されており、川の近くに寄れる場所もいくつか作られています。

程久保川で
親水の安全のため立ち入り禁止になっています

その中でも最大で、せせらぎで憩う、イメージで作られた親水場所が多摩動物公園駅前にありました。
ありました、というのは、ここは昨年の春、都道の改修とともにそれまでは暗渠となってしまっていた程久保川の流れを再び川として呼び戻し、同時に動物公園を利用する人などが憩える水辺も創造しようと、かなり凝った川作りがされているのが工事中から見てとれていたものの、いざ、完成となったやいなや、水辺に降りる階段は、フェンスで区切られ、はや一年以上不思議な風景をさらしているからです。
たぶん、想像するにおいて、急激な増水時への恒常的な備えをした、か。
動物公園の前ということから、幼児の比率が多い場所で、そのため安全対策としてフェンスが張り巡らされた、か。
ともかくも、かの多摩動物公園の玄関には似つかわしくない光景ですから、そのうちには無事にフェンスも取り除かれることとなるでしょう。
その前に、見ておくのもいいかもです。