穏やかに初不動
毎月28日は高幡不動尊の縁日。
地元では、「今日は28日だから」、と言えば、「お不動さんの縁日」と察しが付き、「今日は高幡のお不動さんだ」と文法では少しおかしな言い回しも立派に会話として成り立っています。
例えばこんな風、「28日だから、高幡は人出があるし、参道に車は入れない」、と。
中でも、1月、年初めは「初不動」、1年でも特別な縁日です。
初詣とは一線を介し、普段から、また代々に渡って継承している「講中」のみなさんがお不動さまに初参りに訪れます。
高幡不動駅から続く参道には露店が並ぶのも一年でこの日だけ。
境内ではだるま市が開かれます。
だるまが目当てのみなさんのほとんどは、買う店とは長年、代々にわたって「お付き合い」をしているおなじみさん同士。
ちょっと、耳をそばたててみると、「今日は孫を連れてきたの」。「あのチビちゃんかい?いやいや、お孫さんに連れて来てもらったんだろ、立派な荷物持ちがいるんだから、いつもより大きいの、持っていきなよ」。「じゃあ、同じ値段でね」、ほのぼのとしてしまう話が聞こえてきます。
初不動では恒例、稚児行列もとり行われます。
今年は平日だったため、小学生は難しかったのか、稚児はみな少し小さめの子どもたち。
管主様を最後にした行列に「かわいい!」の声とカメラが一斉に向けられます。
「わたしは出なかったけれど、姉は稚児になったことがあるのよ」、と教えてくれたのは、今年米寿を迎えるおばあちゃん。
ということは、少なくても90年以上前から、稚児たちは歩き続けていることになります。
今度、お不動さまにちゃんとした所を聞いてみることにしてみましょう。