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善意のコスモス

多摩川と浅川の合流地点では、実はもう2本小さな川が流れこんでいます。

根川と程久保川。


半分近くがコスモスに

 

根川は大昔は多摩川。

氾濫を繰り返してきた多摩川に大きな中洲ができ、本流とは切り離された川となり、そこに日野用水が接続されるようになり、加えて今では、浅川水再生センターからの処理水路としても使われています。

程久保川は、七生丘陵に刻まれた谷を源流とする川。

長さ数キロながら一級河川で、谷戸田を潤しながら蛇行して流れていましたが、周辺の住宅地化によって、大雨時の排水路としての役割を担うため、現在は直線的に河川改修が行われています。

それでも、高いコンクリートの下を流れる水は、人が入りこめないため、カワセミもひと目を気にせずスーイスイいつしか生き物たちの絶好の棲み家となっています。


散策路まで完備


拡張の計画もありそうな気配

この程久保川の合流地点に10数年前に、作られたのが、「程久保川・多摩川ワンド」。

人工的に程久保川から流れ込む小川を造り、水辺を含めた周囲に自然の姿を取り戻す試みです。

年月が経ち、水辺の草は水面に垂れ、ワンドの小川は小魚たちの気持ちよい棲み家となり、実生から育った草は、昆虫たちを呼び、たぬきやいたちも訪れる場所となっています。

昨年あたりから、そのワンドにちょっとしたでは済まない異変が起りつつあります。

それまでは、ワンドの存在さえ気にさえしていなかった浅川土手の遊歩道を散歩する人たちからも、歓声がわき起こっています。

「ワァーッ、きれい!」。

「こんな所にコスモスがいっぱい。人が入れないからだよね」。

どなたかが、善意でやっと自然に任せて育ったワンドを草ぼうぼうで見苦しいと思ったかどうか。

はたまた、近くの河川公園のコスモス畑を見習ったのかどうかは定かでもありませんが、散策の眼を喜ばせてあげようとの想いか、ご丁寧に草狩りまでして種を撒き、コスモスを育てて下さっているのです。

さて、どうでしょう。

コスモスに占領されたら、そこにあった草むらの中で暮らせたはずの虫たちは?

そこに咲いたいろいろな花を目当てにやって来た蝶たちは?

それを餌にしていた鳥やたぬきたちは?

本来は、身を寄せ合って生きている彼らに生活の場を返すワンドだったはず。

コスモスはワンドを出て、自然保護地区となっている河原へも浸食の気配。

人のために善かれと思う気持ちが仇となっているとしたら、残念至極なことです。

 
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