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東光寺大根

冬の訪れを告げる大根干しです。
日野駅から西へ、八王子市との境にある東光寺(とうこうじ)地区では、その名も「東光寺大根」が生産され、冬場の今、旬を迎えています。

 
 用水沿いのビニールハウスに短冊状に「東光寺大根」が干されています。そばを通りかかるだけで、ツンとくるようなキュッとくるような独特な香りが漂ってきます。

 「東光寺大根」は「練馬大根」の流れを受け継ぎ、辛み多く、少し苦いことから煮物などの料理には不向き、おろしてからみ餅にすると美味しいけれど、もっぱら漬け物用に加工されます。全体に細く、首の所は10円玉くらいの太さしかありません。

 日野の冬の風物詩などと言われることが多い「東光寺大根」は、実は一年を通しての仕事なのだそうです。

 というのは、「東光寺大根」は代々、花を咲かせ、種を実らせ、その種を次の大根へと育てる作業を繰り返しているからです。

 「たくあん用の大根もいろいろな品種があり、病気に強く栽培しやすい品種も開発され、その種を買って来ての栽培もできる。そんな改良された品種に比べるとリスクはあるけれど、東光寺大根の風味を守るため。待っていてくれるお客さんもいるから」、と現在、数軒の農家で、「東光寺大根」の種を伝え続けているということです。畑もしかり、たっぷり世話をかけて来年へと備えがされます。

 元の種となる「練馬大根」は1950年代には、栽培されなくなり、近頃、復活の取り組みがされているといいますから、「東光寺大根」、しぶとい!
 
 現在はビニールハウスの中で干されている「東光寺大根」ですが、昔は稲刈りが済んだ田んぼが大根干場。生産量も比較にならないほど多く、東光寺周辺の田んぼは干された大根で白く見えるほどだったといいます。

 「昔はさ、万からの数の大根だったでしょ。井戸水で一本一本洗って、田んぼへ持って行って、干してそれでも途中で雨でも降り出そうものなら、駆けてって取り込まなくっちゃならなかった。そのころは『大根やってる家には近づくな』っていうほど忙しかったんだョ」。

 「ハウスになって楽になった分、世話かけられるから良いもの作れるようになったんだ。藁を敷いて、ほら、こうすれば大根汚れないでしょ。真っ白でお客さんに渡せるでしょ。それに、藁はトマトの下に利用できるし、最後は堆肥になってくれるから」。

 こうして、手塩にかけた「東光寺大根」は、3日間干され、首を長くして待っている注文したお客さまへ。昭島の市場にも出荷されます。市場でも入荷前には予約済みになってしまうとのことです。

 これから先はお好みしだい。糠に付け普通なら3月くらい、塩を多くして漬け込むと5月くらいまでは美味しく食べられるとのこと。漬け物は保存食としても、生よりも栄養素が増えることなど、見直しされている食材です。

 でも、「糠を触れない若い人たちが本職の料理人にもいて何か心配。毎年、楽しみにしていて下さるのは年齢的には、やはり、年配の方が多い、でも、その中でもとりわけ目立つのが、本物志向の男性たち」、という話にはなるほど。

 そう言えば、蕎麦打ち教室を開くと集まるのは男性が多いと聞きます。


 子どもの頃、素朴でありながら、素材の味を体感した方々。その味を再びというわけではないでしょうが、やたらとこだわってしまうのが女性よりもむしろ男性。

 「沖縄の塩を取り寄せた、いやいや、南米の岩塩で漬けてみると」、こんなこだわりの会話が、こだわりの「東光寺大根」を手にして交わされているそうです。

 この「東光寺大根」、日野市の農産物直売場でも販売されていますが、興味がある方はぜひ、ぶらっと、ハウスを覗いて、生産者の方と直接お話になって下さい。それがきっと、おいしさへとつながるはずです。

 
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